名古屋とヨーロッパのものづくりの文化を結び、国際的にプロダクトを発表する機会として、フランス・パリ にて開催される国際的なライフスタイルの展示会「Maison & Objet ( メゾン・エ・オブジェ )」にて「Creation as DIALOGUE」を出展いたします。
漆、七宝、絞り、黒紋付染、雪洞、雛人形、印章彫、三宝、仏壇。 それらは長い歴史の中で名古屋を中心とした地域の中で脈々と受け継がれ、時代の層を積み重ねながら守られ てきた、職人の伝統的な手仕事の技術です。時に生活の中に彩りを与え、神への祈りを捧げ、また先祖への思い を馳せる道具として、古来より大切に作られ、使われてきました。
本プロジェクトでは、ヨーロッパを拠点に世界の第一線で活躍する古川紗和子氏(元ボッテガ・ヴェネタ/ デザイナー)、平林大輔氏(元ヘルツォーグ&ドムーロン/ 建築家)、名和光道氏(元ヴァン・クリーフ・アンド・ アーペル/ デザイナー)の3名をデザイナーに迎え、名古屋地域に根ざす伝統産業の担い手である10社と共に 制作に取り組んできました。ヨーロッパに息づくクリエイティビティーと、日本のものづくりの中心地である 名古屋の持つクラフツマンシップ。この二つの都市圏に息づく文化を結び生み出されたプロダクトは、時間を かけて人の手で丁寧に作られた温度を持ちながら、研ぎ澄まされたデザインによる洗練された形によって、 私たちの生活に新鮮な感動を与えます。
この豊かな文化をもつ名古屋地域で育まれた類まれな技術は、人の手でしか生み出すことのできない美の結晶 であり、ものづくりの本質に繋がる精神性の表れです。肥大する消費と効率ばかりが追求されがちな現代の 社会において、この「手の文化」は我々に本質的な価値を気づかせてくれます。しかし現在、「手の文化」は、技術 継承や後継者不足の課題に直面し、衰退の一途を辿っています。日々技術の研鑽を重ねる職人たちの手仕事は、 残念なことに名古屋以外の地域において、その美しさの本質を発表する機会はほとんどありませんでした。
昨年のパリコレクション期間中にパリ市内の歴史的建築物「Galerie Vivienne」で開催され好評を得たテストマーケティングの経験を踏まえ、9月7日から11日の5日間、ライフスタイルの展示会として世界最高峰の「Maison & Objet」に出展いたします。異なる文化圏との対話によりこの手仕事に継続性と循環を生み出し、新たな未来を創造します。
Creation as DIALOGUE
名古屋市主催 伝統産業海外マーケティング支援プロジェクト。伝統産業の担い手が、技術とアイデンティティ を新たな視点で捉え直すことで価値を転換し、手仕事を通じてイノベーションを生み出し、新たな販路を開拓 することを目的としています。
プレス問い合わせ先
名和愛実 | +33 601 045 749 | info@creation-as-dialogue.jp
主催 名古屋市役所 経済局産業労働部労働企画室