日本の手仕事を発見する。名古屋伝統産業５社による展示会。
漆を何層にも塗り重ねた立派な化粧箱。うねる炎のような神秘的な輝きを放つ漆塗りの燭台。1880年創業の七宝焼工房が作るジュエリー。名古屋の黒紋付染の “究極の黒 “で身体を包むコート。 有松鳴海染工の煌びやかな色彩のドレッシングガウン。ここで紹介するのは、日本の伝統的な 5つの工房から生まれた新しいクリエイションの一例です。 本展で発表されるものは、長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた日本の伝統技法により作られ、その製造工程のほとんどが数値化できない職人の経験に基づく手仕事です。このプロジェクトでは、ヨーロッパを拠点とするデザイナーが、5つの伝統工芸の工房とコラボレーションしています。
イベント概要
■2022年9月23日（金）
「何層もの漆を塗り重ねる伝統の技。職人による漆塗り技術のデモンストレーション 」
名古屋仏壇の知識と熟練の技を活かし、創造した新たなバニティボックス『I-RO-HA』。その中で用いられている「漆独自技法黒砂仕上げ」は、伝統的な材料を使用する、千代田屋が独自に開発した漆塗装法です。黒砂のような独特な風合いを生み出すまでに、何層にも漆を塗り重ねます。その実際の制作工程と現場の風景を、職人自らがデモンストレーションすることでGalerie Vivienneに再現します。
日時詳細：9月23日 19:00 〜21:00 CEST
事業者：櫛田 信明（千代田屋）
事前予約：不要
■ 2022年9月25日（日）〜28日（水）
「日本刀の拵が生み出す美の世界。日本刀の鞘の展示。 」
漆塗りの技術を活かした仏壇や文化財の修復なども手掛けるマルスエ佛壇。その3代目伊藤俊克（いとう・としかつ）は、その塗装技術を活かして、日本刀の鞘・柄の塗装を手掛ける職人としても知られている。本企画では、日本国内でさまざまな賞を受賞してきたその技から生まれる美の世界を紹介するため、伊藤俊克氏が手掛けた数々の日本刀の鞘を展示します。
日時詳細： 9月25日 11:00 〜18:30 / 9月26日〜28日 10:00 〜 18:30 CEST
事業者：マルスエ佛壇
事前予約：不要
■ 2022年9月25日（日）
「日本刀の鞘修復デモンストレーション 」
9月25日から28日にかけて行われる本展示の特別企画として、日本刀の鞘修復の技を披露するデモンストレーションを行います。
日時詳細： 9月25日 13:00 〜 15:00 CEST
事業者：マルスエ佛壇
事前予約：要
■ 2022年9月29日（木）
「美しい黒の文化についてのカンファレンス 」
山勝染工が1919年の創業以来受け継いできた歴史ある着物、それが「名古屋黒紋付」です。黒紋付は、艶のある深い黒で染められ、紋を入れた着物として身近に着用されてきました。代々、工房ごとに門外不出の技術として受け継いできた黒色は、多くの人を魅了してきました。本カンファレンスでは、400年の歴史をもつ名古屋黒紋付のルーツを紐解きながら、伝統と革新を繰り返しながら守り続けている美しい日本伝統の黒の文化について、職人自らプレゼンテーションを行います。
日時詳細： 9月29日 14:00 〜 14:50 CEST
事業者：中村 剛大（山勝染工株式会社）
事前予約：要
■ 2022年9月30日（金）・ 10月1日（土）
「有松絞り400年の歴史とその柄についての展示 」
1608年に竹田庄九郎らの手によって始まった「有松絞り」。絞り技法の数は最盛期には150を超えていたと言われ、その作業は現在でもすべて熟練した職人による手作業で行われています。本企画では、その長い歴史の中で培われた多彩な技術とその創造性から生み出される美しいパターンの数々を展示します。
日時詳細：9月30日（金）・10月1日（土） 10:00 〜 18:30 CEST
事業者：浦田 雅芳（株式会社竹田嘉兵衛商店）
事前予約：不要
■ 2022年9月30日（金）
「新ブランド『Patrimoines』を生み出す有松の文化的遺産に関するカンファレンス」
今回のエキシビジョンで発表される『Patrimoines』(パトリモア＝遺産)はその名の通り、有松の歴史的遺産から生まれたガウンコレクションです。400年以上の歴史を持つ有松絞り。そして江戸時代の面影が現代に受け継がれている有松の街並と、その象徴であり名古屋市の指定文化財にも登録されている竹田嘉兵衛商店の主屋。技術と建築、蓄積された文化的遺産にインスピレーションを受け、生み出された今回のコレクションとその柄に込められたストーリーについて、竹田嘉兵衛商店とデザイナー・古川紗和子によるカンファレンスを開催します。
日時詳細： 9月30日 14:00 〜 14:50 CEST
事業者：浦田 雅芳（株式会社竹田嘉兵衛商店） / 古川紗和子（デザイナー）
事前予約：要
■ 2022年10月3日（月）〜10月8日（土）
「世界を魅了するジャポニズム・尾張七宝のアーカイブ展示 」
安藤七宝店は、明治13年（1880年）、安藤重左衛門によって創業され、明治33年には宮内省ご用達に認定。パリ万国博覧会（1900年）、イギリス、グラスゴー万国博覧会（1901年）などにおいて海外進出を果たし、『J・ANDO』の名で多くのコレクターの寵愛を受けています。今回のエキシビジョンで発表される新しいジュエリーブランドJ・ANDOのルーツとも言えるその七宝の名品の数々を展示します。
日時詳細：
10月3日〜4日 10:00 〜 18:30 CEST
10月5日〜8日 11:00 〜18:30 CEST
事業者：株式会社安藤七宝店
事前予約：不要
