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DIALOGUE

ANDO SHIPPO

実際に取り組んでみて、んな感触をお持ちですか。

そうですね。今度やっとプロトタイプの原型が原型師さんからうちに来るんで、多分、こっからが勝負かなと思っています。今回は銀も、七宝焼でよく使う銀とは違う種類のものを使ってるので、ほんとに釉薬が乗るのか剥がれないのか、割れやすくないのか、その辺りは多分、これから大変かなとは思ってます。いまはまだ実験でやってる段階なんで、どうなるんだろうっていう感じです。

この時代に手でものを作ることは、御社にとってどんな意味がありますか。

僕は、ものを作るっていうのは人間の本能だと思ってるんですよ。やっぱりこう何かものを作って飾りたいとか、身につけたいっていうのは人間の本能だと思ってるから、その本能に忠実に仕事をしてるっていう感じかな。

あとは、いい意味でのバラつきかな。どれも同じものじゃなくて、その人が作ったという部分が分かるものに対する良さ、温かさは、やっぱり人には伝わるなっていう風に思うので、そこが手作りにこだわるところかな。

今回作られるジュエリーは、量産とはいえ、ひとつひとつが手作業ですよね。個々のバラつき、手がける職人さんによる若干の違いは出ますか。

微妙に出るでしょうね。均一化も目指しながら実は1個ずつ見比べると若干違ったりするんですよ。同じ物を見た時に、ちょっとこっちが濃いな、こっちはちょっと薄いなっていうのとかはやっぱり出てきます。

こういうものが七宝焼という技術で作ることができるんだっていうのを知って、一緒に新しい製品を作ってみたいという人も出てきそうですよね。

ええ、そこが狙いです。僕らの技術、こういうことができますよっていうのを知ってもらって、じゃあ、うちとやると面白いものができるかもねっていうようなお話はウェルカムです。だから今、腕時計の文字盤を作ってみたりだとか色々な職種の人たちとコラボレーションして、同じようなものを作り続けるんじゃなくて、新しい可能性を探したいですね。

今回、長い時間と手間暇をかけて作られたプロダクトを、どういう方に使ってもらいたいと考えていますか?

七宝を気に入って、いいなって思ってもらえれば良いと思うけど、やっぱり七宝を知らなかった人にとにかく知ってもらって、その魅力を感じてもらえるのが嬉しいですよね。色ガラスの持つ透明感っていうのかな、それを良いと思って身につけてもらいたいなと思います。

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